物理調査・検層とは

大地が発する物理現象や人為的に発生させた物理現象の反応を測定、解析することによって、地下の状況を探査する技術です。

[ 弾性波探査 ] / [ 電気探査 ] / [ 速度検査 ] / [ 電気検層 ] / [ 密度検層 ] / [ 地下レーダー ] / [ 表面波探査 ] /
[ 浅層反射法 ] / [ ジオトモグラフィ ] / [ 電磁波トモグラフィ ]

■弾性波探査

地表付近、または地中・水中で火薬などによって人工的に弾性波を発生させて、P波(縦波)あるいはS波(横波)が直接ないし異なる弾性波速度層の間で屈折して地盤を伝わってくる状況を、地表に設けた測定装置で観測し走時(時間)を用いて地盤の弾性波速度構造を解明する方法。

■電気探査(比抵抗法)

岩石に含まれる鉱物の種類、鉱物粒子間の間隙を満たす水イオン濃度や量、あるいは温度などによって地層が異なった比抵抗をもつ性質を利用して、地盤の比抵抗構造を把握する方法。

■速度検層

ボーリング孔を利用して地盤内にを伝播する弾性波速度の深さ方向の分布を測定する方法。
・P波のみの速度分布の測定を目的とする検層を「速度検層」
・P波およびS波の速度分布を求める検層を「PS検層」
(1)ダウンホール方式
(2)孔内起振受振方式

■電気検層

単位立方体あたりの地層の電気抵抗である比抵抗をボーリング孔内において測定する方法。

■密度検層

ボーリング孔を利用して原位置で地盤の密度の分布を人工的なγ線源を用いて測定する方法。

γ-γ(ガンマーガンマ)検層
放射性同位元素から放射されるγ線のコンプトン散乱を利用して、ボーリング孔壁沿いの密度分布を測定します。

地下レーダー

地下レーダー説明図

地下レーダーを搭載した車の写真

地下レーダーを搭載した車の様子

送受信アンテナでの調査
送受信アンテナで地下を調査しているところ

地下レーダー調査結果

■表面波探査

地表面に沿って伝播する表面波を観測し、その分散性を利用して地盤構造、特にS波速度の地盤内変化(VS構造)を推定する手法。
表面波のうち、レイリー波を用いることが多いので、レイリー波探査と呼ぶ。

■浅層反射法

地層の境界から反射してくる弾性波を用いるもので、震源で起振された弾性波の波形記録を計算機により情報処理し、反射波のみを強調した画像を描き出し、地下の構造を判断する。
土木構造物の基礎地盤となる地下数十メートル~数百メートルの比較的浅い地層を対象とするため浅層反射法と呼ばれています。

■ジオトモグラフィ

原理は医療診断に使われているX線CTスキャナーを応用した手法。
ボーリング孔間や、ボーリング孔と地表の間で詳細な測定を行って、印バージョン解析により物性分布を再構築する。
地表型の物理探査に比較して、精度の高い情報が得られることが特徴。
弾性波・比抵抗および電磁波の3種類の方法があります。

(1)弾性波トモグラフィ
ボーリング孔および地表面を利用し、ボーリング孔間の速度構造を詳細に把握します。

(2)比抵抗トモブラフィ
ボーリング孔中、および地表面に2本のボーリング孔間を取り囲むように多数の電極を配置。
ある電極により電流を流すと、地盤中には地盤の電気的特性(比抵抗分布)に応じた電位分布が形成されます。
この電位分布を他の電極で測定することにより、各電極の組み合わせにおける見かけ比抵抗値が得られます。
この電流電極、および電位電極の配置を順次移動し、孔間を取り囲むように繰り返し測定を行っていく手法です。

■電磁波トモグラフィ

2本のボーリング孔の一方に発信アンテナを他方に受信アンテナを挿入して、互いに位置を変えながら幾通りもの発信・受信配置における透過波を記録し、インバージョン解析に法により孔間の電磁波速度断面図や電磁波減衰断面図を求めます。

PS検層

 

PS検層